kintone活用の裏技① 関連レコードでサブテーブルが見れる!?
- 祐斗 河合
- 10月29日
- 読了時間: 4分
kintoneをご利用の中で、こんな場面に遭遇したことはありませんか?
「サブテーブルに入力した明細を、別アプリからも確認したい」
「関連レコードで、誰が・何を・いくらで登録したのかを一覧で見られたら便利なのに…」実は、少し工夫するだけで「サブテーブルの内容を関連レコードでも確認できる」ようにすることができるんです。
サブテーブルは関連レコードに「表示できない」のが通常
kintoneの「関連レコード」機能はとても便利ですが、サブテーブル(明細・履歴・内訳など)はそのままでは表示できません。
関連レコード一覧に出せるのは、通常フィールドのみ。そのため、サブテーブルに保存された詳細な明細はわざわざレコードを開かないと確認できないのが現状でした。
解決策:リッチエディタを「明細サマリー」として活用
この課題を解決する方法が、リッチエディタフィールドを「サブテーブルのサマリー表示」として使うという発想です。
たとえば、こんなふうに👇

この「明細サマリー」はサブテーブルそのものではなく、リッチエディタフィールドに自動生成されたHTML表です。
レコードを開かなくても、中の明細が一目で確認できるようになります。
仕組みはシンプル:保存時に自動で作成
この仕組みには、特別な外部連携やAPIは不要です。アプリに次の3つを設定しておくだけで動作します。
1️⃣ サブテーブル(例:「明細」)
2️⃣ リッチエディタフィールド(例:「明細サマリー」)
3️⃣ 保存時にサマリーを自動作成するJavaScript
JavaScriptが、サブテーブルの中身を読み取り、HTML表に整形してリッチエディタに書き込む――ただそれだけのシンプルな仕組みです。
最大のメリット:関連レコードにもそのまま出せる!
この方法のいちばんのポイントはここです👇

つまり、関連レコードの一覧の中に、そのまま明細のサマリー表を並べられるんです。
「別アプリからも明細を見たい」という要望がこれでスッキリ解決。レコードを開かずに、誰が・何を・いくらで登録したのかが一覧でひと目でわかるようになります。
さらに便利に:「リンク付き」で動的な一覧に
もしサブテーブル内の「商品」や「顧客名」がルックアップフィールドなら、リッチエディタに書き出す際に、それぞれのレコードへのリンクを埋め込むことも可能です。

「商品」名をクリック → 商品マスタの詳細画面へジャンプ
「顧客名」をクリック → 顧客アプリの詳細画面へジャンプ
こうして、サブテーブルの内容を「動的なミニ一覧」として活用できるようになります。
この活用方法が役立つ場面
この方法は、次のようなシーンで特に喜ばれます。
✅ 発注・見積など、明細入力を伴うアプリ
✅ 顧客・契約・案件など、親アプリから子レコードのサブテーブルの中身を確認したいとき
✅ 管理職・経理担当など、「開かずに全体を確認したい」ユーザーが多いとき
つまり、「操作より確認が多い人」にぴったりの使い方です。
注意点も少しだけ
反映タイミング:サマリーの更新は「保存時」に実行されます。インポート時には更新されません。また、編集途中の自動反映は行いません(安全のため)。
メンテナンス:サブテーブルの項目を増やした場合は、JavaScriptの項目リストもあわせて調整が必要です。
セキュリティ:HTMLを使用するため、管理設定でリッチエディタの表示制限がある場合は事前にご確認を。
見せ方を変えるだけで、業務が変わる
「関連レコードでサブテーブルが見れる」――一見すると裏技のようですが、実際に使うととても自然で便利です。
わざわざレコードを開かなくても、一覧で内容を確認できる。それだけで、確認作業のスピードが大きく変わります。
これは単なるテクニックではなく、“見せ方を変えるだけで業務がスムーズになる”kintone活用の好例です。
今回のポイントまとめ
リッチエディタを「ミニ一覧」として活用する
保存時にサブテーブルをHTML表として自動整形
関連レコードの列に追加すれば、別アプリから中身を確認できる
商品や顧客名はリンク付きでさらに便利に
こうした「ちょっとした工夫」が、kintoneをもっと使いやすく、楽しく、見やすくしてくれます。
最後に
kintoneや業務改善ツールのカスタマイズ相談を承っています。実装のご依頼はもちろん、「こういうことできる?」という雑談からでもOKです。お気軽にメッセージください。



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