関連レコード - ネスト表示 - プラグイン
- 祐斗 河合
- 7月2日
- 読了時間: 5分
更新日:7月22日
ふと、「そういえば、kintoneって最近どうなってるのかな」と思って、
久しぶりに触ってみたんです。
僕は以前、不動産会社に勤めていて、その社内システムとしてkintoneを使っていました。
でも正直なところ、「使いづらい」「なんか分かりにくい」と言われることも多くて。とくに多かったのが、こんな声でした。
顧客に紐づく「案件」だけじゃなく、その案件に紐づく「活動履歴」や「添付ファイル」まで──つまり、「ホスト → 親 → 子」のような構造を、1画面で見たいというニーズです。
でも、kintoneの標準機能ではそこまでできない。
じゃあ、作ってしまおう。そう思って始めたのが、「関連レコード - ネスト表示プラグイン」でした。
1. システム概要
このプラグインは、kintone上で「関連レコードのその先」までを、ツリー構造+テーブル形式で視覚的にまとめて表示するものです。
kintoneでも「関連レコード一覧」は1階層までなら表示できます。
でも、その関連レコードに紐づくレコードは表示できません。

プラグインを入れることで、ホストアプリの詳細画面で、親レコード+子レコードの一覧をツリー形式で一望できるようになります。
2. システム構成
【図解:アプリ間構成図】

この3階層を、1レコードの詳細画面内で一望できるようになります。
ホストアプリ
関連レコードフィールド → 親アプリ
関連レコードフィールド → 子アプリ
親アプリ
ホストアプリへのルックアップフィールド
子アプリ
親アプリへのルックアップフィールド
この関係さえ作れれば、どんな業務にも応用可能です。
3. 機能
ホストアプリの詳細画面で、以下のような表示ができます。
親レコードを1件ずつ表示(ページャー対応)
親レコードに紐づく子レコードをテーブルで一覧表示
親・子レコードにはkintone標準のリンク付き
ページャーで親レコードを切り替え
テーブルレイアウトでスッキリ見やすく

4. 設定項目
非エンジニアでも設定できるよう、画面上で次のような項目を選択できるようにしています。
ホストアプリ: ・ホストアプリのレコードIDフィールドの選択 ・描画スペースフィールドの入力 ・標準の関連レコードを非表示にするかの選択
親アプリ: ・親アプリの関連レコードの選択 ・親アプリのレコードIDフィールドの選択 ・親アプリ内のホストレコードIDフィールドの選択
子アプリ: ・子アプリの関連レコードの選択 ・子アプリ内の親レコードIDフィールドの選択

5. 処理フロー(ざっくり)
レコード詳細画面を読み込み
プラグイン設定を読み込む
ホストのレコードIDを取得
親アプリから対象レコードを取得
それぞれの親レコードに紐づく子レコードをAPIで取得
マッピングしてテーブル描画
ページ切り替え時に再描画
6. 制限事項
レコード取得対象は、関連レコードで設定された条件に準拠
関連レコード一覧が正しく設定されていないと動作しません
ページャーは「親レコード1件ごと」に表示切替
7.よくある質問
Q. 案件・活動履歴以外でも使えますか?
はい、ご利用いただけます。
本プラグインは「ホストに紐づく親アプリ、その親に紐づく子アプリ」を階層的に一覧表示することを目的としています。
そのため、顧客・案件・活動履歴以外にも、以下のような幅広いケースに応用可能です。
顧客(ホスト) に紐づく 契約履歴(親) と、各契約に対する 支払い記録(子) を一覧表示
プロジェクト(ホスト) に紐づく 作業カテゴリー(親) と、各カテゴリー内の 個別タスク(子) を管理
賃貸物件(ホスト) に紐づく 募集(親) と、それぞれの 内見記録(子) をまとめて表示
「ホストアプリ」と「親アプリ」「子アプリ」の関係を適切に構築することで、さまざまな業務フローに柔軟に対応できます。 ご不明な点は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
Q. どのようなアプリ構成で使えますか?
「親 → 子 → 孫」のような関連レコードの多階層構成に対応しています。各階層で関連レコードフィールドが適切に設定されている必要があります。
Q. フォームに配置するスペースフィールドの要素IDには何を入れればいいですか?
kintoneアプリのフォーム編集画面で、ツリーを表示したいスペースフィールドに
任意の「要素ID」を設定し、 そのIDをプラグインの設定画面に入力してください。 (例:nestrec_space など。英数字・アンダーバーのみ使用できます)
※要素IDは、他のフィールドやプラグインと重複しないユニークなものにしてください。
Q. すでに登録されているレコードにも反映されますか?
はい。プラグインは表示時に動作するため、既存レコードにも適用されます。
Q. モバイル対応していますか?
現時点ではPC版のみ対応です。モバイル対応は今後のアップデートで検討中です。
最後に
「見えるようになった」だけで、業務ってすごく変わることがあります。
今まで別タブで開いていた画面、別アプリで探していた情報が、
ひとつの画面に集まっている
──それだけで、現場のストレスは確実に減ります。
このプラグインは、ただ便利にするためじゃなくて、「業務の全体像をつかめるようにする」ことを目指して作りました。



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