kintoneプラグイン開発で、僕が大切にしていること
- 祐斗 河合
- 7月5日
- 読了時間: 3分
更新日:6 日前

「これ、kintoneでできませんか?」
そんな相談をよく受けます。僕自身、これまでいくつものプラグインを開発してきました。
関連レコードをネスト表示するプラグイン
ルックアップでコピーされた項目を色で可視化するプラグイン
入力フォームにヒントやツールチップを表示するプラグイン
でも、僕がプラグイン開発で一番意識しているのは、「それ、本当に業務で使える?」という視点です。
kintoneには、“得意なこと”と“不得意なこと”がある
kintoneは、リレーショナルデータベースとは違う、“カード型”のデータベース。
つまり、1件1件の業務レコードが主役になる構造です。
そのため、
一覧表示・分析・検索の柔軟性 → 弱め
人から人へ業務をつなぐプロセス管理 → 強い
という“向き・不向き”がハッキリしています。
だからこそ、僕が開発するプラグインは、「kintoneに足りないものを補う」のではなく、「kintoneの得意分野を、もっと活かす」方向を大切にしています。
仕様上の限界を、どう“味方”につけるか
たとえば、kintoneでは「関連レコード一覧」を1段しか表示できません。
でも業務では、「親→子→孫」と情報が連なっているケースはよくあります。
そこで、「親→子→孫」を“ネストして表示できる”プラグインを作りました。
単に階層化するだけではなく、「誰が見ても分かる」ように設計しています。
上下関係を色分け
ラベルを見やすく
レコード間のつながりを強調
業務にとって「見える化」って、すごく大事なんです。
「ミスを減らす」「迷わない」「考えなくていい」設計に
もう一つ、大事にしているのが“補助線”を引いてあげること。
ルックアップでコピーされた項目 → 色で分かるようにする
入力フィールド → プレースホルダやツールチップで例を示す
日付の自動入力 → TODAY+3のような式で簡単に指定
これは「自動化」とは少し違って、“仕組み化”です。
誰でも同じように入力できる、迷わず使える、そして「ちょっとだけ助かる」──
そんな設計を、僕は目指しています。
業務の“流れ”に寄り添いたい
kintoneは「一覧でデータを眺める」よりも、「レコードを起点に、次の担当者にバトンを渡す」という業務の流れに向いています。
だから僕のプラグインも、「ステータスによってボタンが出る」「条件に応じてルックアップを自動で取得する」「テンプレートを選んだらサブテーブルが自動で埋まる」など、“次のアクション”を自然に導けるような設計を心がけています。
最後に|kintoneの“限界”ではなく、“可能性”に目を向けて
kintoneは、決して万能なツールではありません。
でも、ちゃんと特性を理解して設計すれば、業務にとって十分すぎるほど強力なツールになります。
「できるかどうか」より、「役に立つかどうか」。「仕組みで解決する」ことを、僕はこれからも大切にしていきます。
Comments